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技術士建設部門を徹底分析【合格率や試験内容、建築士との違いも】

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技術士建設部門を徹底分析【合格率や試験内容、建築士との違いも】 技術士
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当ブログ記事は技術士の中で最も受験者数が多い建設部門について書いています。

技術士建設部門を徹底分析

技術士資格試験は技術分野別に21の部門にわかれていますが、その中から最も受験者の多い建設部門にクローズアップして徹底分析してみました。

受験を検討している人の参考にしていただければと思います。

建設部門はもっとも受験者が多い → ネット上に情報が多い

まず受験する人が多いとそれだけ情報量があります。

ただでさえ少々マニアックな資格である技術士(わたしもですが、、)は他の国家資格と比較すると情報量が圧倒的に少ないです。

一方で建設部門については技術士資格の中では一番受験者数が多いため、他の技術士の部門と比較するとネットやSNS上に情報量が多いので有利です。

当ブログ記事でも建設部門をクローズアップして分析しているのは受験者数が多いからです。

これらネットやSNS上の情報を積極的に活用しましょう。

建設部門は受験者が多いから教材が豊富

受験者が多いとそれだけ受験市場が活発になります。
(ニーズの量に比例して市場は大きくなるので)

よって参考書やセミナー、通信教育など教材を探したときに、他の部門よりも品揃えが良いという傾向があります。

傾向として知っておき有効に活用しましょう。

建設部門の受験を考えている人の最初の注意点

ゼネコンや建設コンサルに勤めている人で、個人的に「建設部門を受験しようかな」と考えている人は勤務先のニーズや方針と合致しているか事前に確認しましょう。

特に建設部門や上下水道部門の関連企業の場合、社内における技術士の人数が受注に影響するため、受験すべき部門は社内で暗黙の中に決められている場合もあります。

会社として今後は上下水道の受注を増やしたいといったような事情がある可能性や、場合によっては技術士ではなく一級建築士を目指してください、と言われる可能性もあるかもしれません。

若手社員や中途採用者の人は自分で何となく選ぶのではなく、会社の方針や先輩にも話を聞いてみましょう。

受験部門について迷っている人はこちらのブログ記事を参考にしてください。
「ゼネコン関係会社に勤務しているが建設部門と上下水道部門で迷っている」
「建設設備の専門家だけど建設部門にするか機械部門にするか迷っている」
このような場合の考え方やアドバイスについてまとめています。
→ ブログ記事「【部門が選べない人へおすすめ】技術士 部門の選び方」

技術士建設部門の合格率

技術士試験の合格率について建設部門にクローズアップして集計、整理してみました。

一次試験と二次試験のそれぞれの合格率について、直近6年分のデータと推移を見れるようにグラフ化しています。

元データは日本技術士会Webサイトで発表されてます。

建設部門 一次試験の合格率

一次試験の建設部門の直近6年の合格率がこちらです。

青の棒グラフが受験者数(左縦軸)でオレンジ線が合格率(右縦軸)の推移です。

一次試験の受験者数と合格率の推移

建設部門の一次試験受験者数はおおよそ7000~8000人の間、合格率は34~49.7%程度で推移しています。

令和元年度の第一次試験については台風19号の影響で一部試験会場での試験が中止となり再試験が行われたので、両方の試験の受験者人数と合格者人数を合計して合格率を算出しています。
(それでも受験者数が1000人程度少なかったようですね)

建設部門 二次試験の合格率

二次試験の建設部門の直近6年の合格率がこちらです。

青の棒グラフが受験者数(左縦軸)でオレンジ線が合格率(右縦軸)の推移です。

二次試験の受験者数と合格率の推移

建設部門の二次試験受験者数はおおよそ12000~14000人の間、合格率は6.3~13.1%で推移しています。

とくに平成30年度の合格率が6.3%と低い結果であり、この年に合格できた人は優秀だったことが想像できます。

建設部門と他部門の合格率を比較して差はあるのか

建設部門と他の技術士部門と比較したらどうなっているのでしょうか。

部門全体における一次試験、二次試験の直近5年の合格率はこのようになっています。

  • 一次試験の合格率:37.8~51.4%
  • 二次試験の合格率:9.1~14.6%

この結果から見ても建設部門が特別に合格率が低いわけではないようです。

部門全体における合格率についてはこちらのブログ記事にて集計して分析しています。
他技術部門の状況が気になる人は参考にしてください。
→ ブログ記事「技術士の合格率を一次・二次試験、部門別で分析【受験部門を確認しよう】」

技術士建設部門の難易度は?

建設部門の合格率はおおむね他の技術士部門と同じレベルであることがわかりました。

一般的に「難易度が高い」とよく言われる技術士資格について、「何が理由で難易度が高いと言われているのか」という点について考えてみましょう。

難しいところを重点的に対策すれば、合格は近づくハズです。

技術士は難易度が高いと言われている理由

こちらのブログ記事では「技術士資格は難しい」とされている理由がなぜかについて考えてみました。
→ ブログ記事「技術士の難易度は?”難しい理由”を対策して合格可能性を上げよう」

二次試験の難しさが一番のネックになっていますが、他にも「難しさ」について事前に把握しておくことで、それらに対処しながら受験勉強を進めることができるのでおすすめです。

“挫折してしまう可能性” を未然に防止しましょう。

技術士合格までの勉強時間はどれくらい必要か?

難しさの指標として「合格までどれくらいの勉強時間が必要か」について、こちらのブログ記事でトータル勉強時間と各試験における勉強時間の内訳を公開しています。
→ ブログ記事「【独学】技術士合格まで受験に費やした勉強時間は合計で何時間か?」

わたしは機械部門なのですが一次試験の勉強開始から二次試験の筆記、口頭試験の合格までトータル1000時間の勉強時間となりました。

合格率も同じくらいなのでおおよその勉強時間の目安として、建設部門も同じくらいと考えていいのではと思います。

もちろん当ブログ情報や通信教育の活用などによって、さらに時短することは充分に可能と思いますので自分に適した方法を探りながらドンドン採用して時短チャレンジしてください。

技術士の建設部門と建築士はどのように違うのか

ゼネコンや建設企業、設計会社などに務めていて、建築士(一級、二級、木造)と技術士のどちらを取得したらいいかわからない、どのような違いなのか、という話を聞くのでこちらにまとめています。

建築士は業務独占資格、技術士は名称独占資格

建築士は資格が無いと業務を請け負うことができないという業務独占資格です。

「建築士でなければ一定の建築物の設計・工事監理を行ってはいけないこと」と建築士法によって定められています。

建築士は一級、二級、木造と資格によって設計、工事監理することができる範囲、建築物の規模が決められています。

一方で技術士は業務を行う際に名乗らなければならないという名称独占資格です。

そのため「技術士でなければ行ってはいけない」という業務を独占できる仕事は存在していません。

技術士には “建築部門” が無い

技術士には建築部門がありません。

建築士と技術士の制定の時期について遡ってみたところ建築士法が先に制定されています。

  • 建築士法の制定:1950年
  • 技術士法の制定:1957年

具体的な根拠については私も知らないのですが、制定時期の状況からみて建築分野を担う技術的、法律的なことが先に建築士法にて制定されているため、技術士には建築部門が無いと思われます。

土木関連の色合いが強い技術士

技術士は建築ではなく建設部門であり、”建設” という言葉は主に土木関連の大型構築物を対象とした表現です。

道路やダム、橋、公共施設などがイメージしやすいと思います。
(後述する技術士一次試験の専門科目を見るとイメージしやすいです)

一方で”建築”という言葉は家、マンション、ビルなどの建造物を建てることを表します。

もしも自分がどちらの資格を志したらいいのか迷っている時は、自分が関わっているのが建設なのか、それとも建築なのかについて考えてみるとわかりやすいと思います。

若手社員や中途採用者など、技術士か建築士のどちらを志すべきなのかイマイチよくわからない人は自分で何となく選ぶのではなく、会社の方針や所属部門の先輩にも話を聞いてみましょう。

技術士一次試験 建設部門の試験内容

技術士一次試験は基礎科目、適性科目、専門科目の3科目について試験が行われます。

基礎科目、適正科目は各部門共通であり、専門科目については各部門ごとの内容となっています。

建設部門の専門科目

建設部門の専門科目は下記の範囲からの出題となります。

  • 土質及び基礎
  • 鋼構造及びコンクリート
  • 都市及び地方計画
  • 河川、砂防及び海岸・海洋
  • 港湾及び空港
  • 電力土木
  • 道 路
  • 鉄 道
  • トンネル
  • 施工計画、施工設備及び積算
  • 建設環境

この範囲に照準を合わせて過去問を中心に学習していきましょう。

こちらは令和3年度の試験についてなので、自分が受験する年度については事前に日本技術士会Webサイトの試験情報ページにて確認しましょう。

一次試験の対策

一次試験の対策については部門共通でこちらのブログ記事にまとめています。
→ ブログ記事「技術士一次試験対策 やること総まとめ【独学者必見】」

科目別の勉強方法や技術士の倫理、一次試験に必要なテクニックなど、詳細の説明ページにリンクでいけるようになっています。

一次試験 基礎・適性科目 おすすめ参考書と通信教育

基礎・適性科目は部門共通です。

こちらの記事で参考書についてピックアップしています。

参考書だけだと不安な人は通信教育の併用も検討しましょう。

建設部門の一次試験 専門科目 おすすめ参考書

建設部門の一次試験、専門科目についておすすめの参考書をこちらのブログ記事でピックアップしています。

参考書を選ぶときの注意点とアドバイスも書いているので、選定時の参考になればと思います。
→ ブログ記事「技術士建設部門のおすすめ参考書【選定時の注意点、アドバイスも】」

技術士二次試験 建設部門の試験内容

二次試験は筆記試験と口頭試験に分かれており、筆記試験に合格した人だけが口頭試験に進むことができます。

筆記試験は論文形式となっており、各部門の必須科目と下記の選択科目について試験が行われます。

建設部門の二次試験の選択科目

二次試験の建設部門における選択科目は下記の11の選択科目の中からあらかじめ選択します。

選択科目   選択科目
土質及び基礎土質調査並びに地盤、土構造、基礎及び山留めの計画、設計、施工及び維持管理に関する事項
鋼構造及び
コンクリート
鋼構造、コンクリート構造及び複合構造の計画、設計、施工及び維持管理並びに鋼、コンクリートその他の建設材料に関する事項
都市及び地方計画国土計画、都市計画(土地利用、都市交通施設、公園緑地及び市街地整備を含む。)、地域計画その他の都市及び地方計画に関する事項
河川、砂防及び海岸・海洋治水・利水計画、治水・利水施設及び河川構造物の調査、設計、施工及び維持管理、河川情報、砂防その他の河川に関する事項
地すべり防止に関する事項
海岸保全計画、海岸施設・海岸及び海洋構造物の調査、設計、施工及び維持管理その他の海岸・海洋に関する事項
総合的な土砂管理に関する事項
港湾及び空港港湾計画、港湾施設・港湾構造物の調査、設計、施工及び維持管理その他の港湾に関する事項
空港計画、空港施設・空港構造物の調査、設計、施工及び維持管理その他の空港に関する事項
電力土木電源開発計画、電源開発施設、取放水及び水路構造物その他の電力土木に関する事項
道路道路計画、道路施設・道路構造物の調査、設計、施工及び維持管理・更新、道路情報その他の道路に関する事項
鉄道新幹線鉄道、普通鉄道、特殊鉄道等における計画、施設、構造物その他の鉄道に関する事項
トンネルトンネル、トンネル施設及び地中構造物の計画、調査、設計、施工及び維持管理・更新、トンネル工法その他のトンネルに関する事項
施工計画、施工設備及び積算
施工計画、施工管理、維持管理・更新、施工設備・機械・建設ICTその他の施工に関する事項
積算及び建設マネジメントに関する事項
建設環境建設事業における自然環境及び生活環境の保全及び創出並びに環境影響評価に関する事項
技術士 二次試験 建設部門 選択科目(日本技術士会Webサイトより)

こちらは令和3年度の試験についてなので、自分が受験する年度については事前に日本技術士会Webサイトの試験情報ページにて確認しましょう。

二次試験の対策

二次試験の対策については部門共通でこちらのブログ記事にまとめています。
→ ブログ記事「技術士二次試験 筆記論文・口頭対策 総まとめ【独学者は必見】」

勉強方法や論文試験の練習方法、技術士の倫理、二次試験に必要なテクニックなど、詳細の説明ページにリンクしています。

建設部門の二次試験 おすすめ参考書

一次試験と同様に二次試験についてもおすすめの参考書をこちらのブログ記事でピックアップしています。

参考書を選ぶときの注意点とアドバイスも書いているので、選定時の参考になればと思います。
→ ブログ記事「技術士建設部門のおすすめ参考書【選定時の注意点、アドバイスも】」

二次試験のおすすめ通信講座

二次試験のおすすめ通信講座についてこちらでブログ記事にまとめています。
→ ブログ記事「技術士二次試験おすすめ通信講座2つを比較【コスト重視か添削回数か】」

二次試験の対策として、自分の書いた論文を第三者に見てもらい客観的な意見をもらう事によって効率よくレベルアップすることができます。

一方で通信講座は費用が高額なので、費用の安さを重視にするか、それとも添削回数を重視するかという視点で見ると判断しやすいです。



以上、技術士の建設部門についてクローズアップしてみました。

建設部門はネットに情報が多いのでうまく活用しましょう。

受験仲間を見つけて情報交換しながら一緒に頑張るのもモチベーション維持におすすめです。

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