当ブログ記事は理系・技術系のエンジニアを目指す人におすすめの資格を分野別にまとめています。
理系・技術系エンジニアを目指す人の分野別おすすめ資格
「エンジニアになりたいけど資格を取った方がいいのかな」
「資格を取りたいけど何の資格を取ればいいのだろう」
このような疑問や不安を持つ人は多いのではないでしょうか?
当ブログ記事はこれからエンジニアを目指す人や学生におすすめ資格を技術分野別に紹介します。
どのような視点で資格を選んだらいいのか、また就職活動を有利に進めるための資格取得の考え方についてもまとめています。
大事なことですが「資格を取れば大丈夫という訳ではない」ことは念頭に置いてください。
あくまで勉強するためのきっかけです。
わたしの場合は “何かの目標” が無いと勉強できない(続かない)タイプなので、そんな人には参考になハズです。
もちろん人によってキャリアの作り方や考え方が異なるので、当ブログ記事を参考に自分のベストについて考えてみてください。
最初に結論をまとめておきます。
- 資格はどんなエンジニアリング分野、キャリアを目指すかという視点で選ぶ
- なにを目指せばいいかわからないなら分野別に入門資格を受けて自分の適性や思いを確認する
基本情報技術者、第二種電気工事士、機械設計技術者3級などがおすすめ - 技術士補なら将来的に自分が目指す技術分野のエンジニアのキャリアに生かすことができる
- 資格を就職に生かすなら、思い→行動→結果に結び付けることができたことを語れるようにする
資格ランキングや一覧で”なんとなく”選んではいけない
「とりあえず資格ランキングで上位のモノを受けようかな」
「資格一覧表を見て受かりそうな資格を選ぼうかな」
「みんなが選んでいるから自分も」
このように考えて資格勉強を始めると自分にとって本当に必要な目標に辿り着かない可能性が高いです。
「受験者数が多い資格が自分にとっても有利な資格」とは限らないので覚えておきましょう。
自分の将来にとって何の資格が有意義か考えることを念頭に置きます。
目指すエンジニアリング分野やキャリアを考えて選ぼう
資格は「自分がどのエンジニアリング分野やキャリアを目指すか」という視点で選びましょう。
“資格を取れば将来は安泰”ではなく、エンジニアとしての研鑽や勉強は将来も続ける必要があります。
自分の進みたい方向のベースとなる資格を取っておくと将来的にメリットが大きくなります。
何を目指したらいいかわからないなら難易度の低い資格で適性を探る
「まだ自分の方向性なんてわからないなあ」
「何をやりたいのかイマイチはっきりしない」
そんな人は難易度の低い資格にチャレンジして自分の適性について考えるキッカケにしましょう。
何かアクションしてみるといろんな感想や感覚を得ることができます。
- 自分には向いていないな
- 面白いからこの道に進もうかな
- 勉強は嫌いだけどこの作業は苦にならないな
このような感覚は実際に行動してみないとわかりません。
以下に難易度が高くない入門の資格を技術分野別に紹介するので、興味がある資格(自分に近いもの)にチャレンジして「自分の感じるところ」について考えてみるのがおすすめです。
IT・Webエンジニアを目指すなら基本情報技術者がおすすめ
「IT・Webエンジニアになりたい」と考えている人におすすめなのが基本情報技術者の資格です。
基本情報技術者は国家資格であり、勉強を通してシステム、セキュリティ、ソフト設計、プログラム言語の種類、マネジメントを身に付けることができます。
ただし、この資格があるからといってIT業界の就職が格段に有利になるわけではないので、そこは念頭においてください。
後述する「就職活動を有利にする資格取得の動機の話し方」のような考え方を持って説明すれば、就職面談の時に好印象を持ってもらえると思います。
IT・Web企業への就職を考えるなら基本情報技術者で受け皿を広げておく
もしもすでに特化したWeb技術を持っていて、それを生かしてベンチャー企業で活躍したいという人は、資格取得は不要と思います。
その技術を生かした成果物を作ってアピールした方がいいでしょう。
一方で、一般的なIT・Web関連の会社への就職を検討している人は基本情報技術者の資格取得を通して自分の知識ベースの受け皿を広げておくことをおすすめします。
就職先の配属がわからないから資格で受け皿を広げておく
就職活動の時点で行きたい企業は数社あると思いますが、その企業の中で明確にやりたいこと、配属を希望する部署が決まっていない人が大多数と思います。
システムエンジニア、IT・Webエンジニアと言っても詳細は様々です。
- 製品としてリリースする大衆向けアプリを作るのか、企業向けシステムをつくるのか
- 開発ではなく保守の担当、セキュリティ担当になるかも
- その会社(部門)で必要とされるプログラム言語は何か
- 社内システムをつくるかもしれない
未経験者の採用に対して企業は “ピンポイントの専門能力” を求めているわけではありません(即戦力で会社が必要とするハイスキルはキャリア採用で補います)。
学校で学んだ勉強に加えて基本情報技術者のような入門資格の取得によって 「自分の受け皿を広げておく、資格取得して知識があることを証明しておく」と有利になるはずです。
若手IT・Webエンジニアなら具体的な成果物、資格ならマネジメント系
もしも既にIT・Webエンジニアとして働いている場合、今から基本情報技術者を取得しても転職に有利になるという望みは薄いと思います。
すでにIT・Web業界で働いているなら自分がどんな仕事、システム、プログラム言語の経験があるのか、Web上の制作物についてどのように関わったかについて第三者に説明できるようにしておいた方がいいです。
つまり業務におけるプレーヤーとしての具体的な成果物やスキルに重点を置きましょう。
もし業務外で何か資格取得を目指すなら現在の経験・スキルの延長線上にある次のステップのもの、あるいはその幅を広げるような資格やプログラミングスクールを選ぶことをおすすめします。
SEならプロジェクトマネージャ、セキュリティエンジニアならセキュリティマネージャ、IT・WEB企業内でなんでも系のエンジニアなら技術士情報工学部門あたりがおすすめです。
電気系エンジニアを目指すなら第二種電気工事士がおすすめ
電気系のエンジニアを目指す人におすすめなのが第二種電気工事士の資格です。
「第二種電気工事士の資格取得によって自分の適性や目指すエンジニア像について考えるとよい」ことについてこちらのブログ記事で紹介しています。
第二種電気工事士の勉強をしながら、電気工事士を目指すのか、電気施工管理に進むのか、それとも電気系の設計・開発エンジニアに進むのか、自分の目指す分野について考えてみましょう。
第二種電気工事士の受験を検討しているならこちらに必要なことをまとめましたのでぜひ参考に。
「くいっぱぐれない資格」 で将来のキャリアを考えるなら電気・建設・建築系
「資格を取ってなるべく安定した職業につきたい」
「資格を持つことで会社や職場に縛られないようにしたい」
「将来が不安なのでとにかく”くいっぱぐれない”ような資格を取りたい」
そんな安定志向の価値観の人は “資格が無いとできない業務” となっている国家資格を取得することをおすすめします。
医者や弁護士のように”資格が無いと特定の業務をしてはいけない”というような資格を業務独占資格というのですが、これを目指しましょう。
エンジニアなら電気・建設・建築の分野の資格に多く存在します。
電気・建設・建築エンジニアリング分野は世の中の安全・安心、つまり生命に直結するため、”国家資格を持っていないと当該業務に従事することができない”と法律で定められている資格が多く存在します。
電気・建設・建築系エンジニアは今後も資格が必要
電気に関しては感電や火災の危険性、建設や建築に関しては強度不足による崩壊や耐震性といったように「生命に直結する」エンジニアリングです。
これらはたとえIT化や自動化によって世の中の発展が進んでも必ず必要なエンジニアリングです。
最近ではIT・Webエンジニアの方が需要が多いようなイメージがあるかもしれませんが、電気・建設・建築分野の技術系エンジニアにとって国家資格は今後も必要不可欠であることは、この先も変わりません。
電気系エンジニアの資格とキャリア戦略
もしも電気系エンジニアを目指すならどのような方向性のエンジニアを目指したらいいか、必要な国家資格はどの資格かこちらにまとめています。
資格を生かして自分のキャリアを構築したいと考える人は、この記事を見ながら自分の進む方向について考えてみましょう。
機械設計エンジニアを目指す人におすすめの資格
機械設計エンジニアを目指す人におすすめなのが機械設計技術者3級と第二種電気工事士の資格です。
機械設計技術者3級は理工系の大学で学習する範囲の試験
機械設計技術者3級の試験範囲は理工系の大学で学習する範囲です。
つまり理工系の学生なら学校で勉強する教科書の内容、定期テスト対策をしっかりしていれば比較的スムーズに取得することができます。
もしも学校の勉強に自信が無くても教科書を持っていれば機械設計技術者3級の過去問を勉強しながら教科書で苦手な部分を勉強すれば十分に合格を狙うことができます。
機械設計に必要な電気の知識なら第二種電気工事士
「すでに機械設計技術者3級を取得している」
「機械設計の学習は学校の授業で充分」
という人におすすめなのが第二種電気工事士です。
機械設計なのに電気工事士?と疑問に思う人もいるかもしれませんが、機械設計エンジニアも電気の知識は必要です。
電気の予備知識が無いと機械側の配線図が書けなかったり、電気図面から実物がイメージができなかったり、使用する機器類の選定に困ることが多々あります。
毎回電気担当者に質問するのもお互いに面倒です。
第二種電気工事士の勉強を通して電気の基本的な知識や作業を押さえておけば、機械設計の仕事に就いてから電気の知識が必要となる場面でも自分でスムーズに対応できます。
特に生産設備やインフラ・プラント設備の機械設計エンジニアを目指しているなら、基本的な電気の知識を押さえておけば絶対に損しないので、第二種電気工事士はおすすめです。
化学・生物・農業・情報など特定の技術分野は技術士補がおすすめ
もしも特定の技術分野のエンジニアを目指しているならおすすめなのが技術士補の資格です。
化学・生物・農業・情報などの学科に所属している場合、資格取得してもあまり将来の役に立たないと思う人が多いかもしれません。
しかし将来的に「その技術分野のプロフェッショナルエンジニア」を目指すならおすすめなのが技術士資格です。
技術士資格は技術分野別に全部で21の部門にわかれており、技術系エンジニアの資格で最も難易度が高く信頼性の高い国家資格です。
→ 「技術士とはどんな資格か」のブログ記事はこちら
技術士補は技術士資格の前段階の資格で技術士試験の一次試験に合格することで登録することができます。
技術士補の資格についてはこちらで詳しく紹介しています。
試験範囲はほぼ大学の学習分野と同じ範囲
技術士資格の取得には実務経験が必要であり、非常に難易度の高い二次試験(小論文による論述試験、合格後の面接試験)に合格する必要があります。
一方で技術士補は一次試験に合格するだけで登録ができます。
そして一次試験専門分野の試験範囲は大学で習う学習分野がほとんどなので、学部での授業内容をしっかりと勉強すれば合格が見えてきます。
技術士一次試験は専門分野の他に基礎・適性分野の試験科目があるので、過去問を中心に勉強しましょう。
学生時代に技術士補の資格を取得しておけば、就職してから最短の実務経験を積んで二次試験の対策を進めることで20代での技術士取得も見えてきます。
企業内でも20代で技術士資格を持っている人は少ないので、同僚にも一目置かれる存在になれるはずです。
就職先で設計・研究・現場など配属がわからなくても技術士補なら無駄にならない
就職活動の時点では行きたい企業は数社あると思いますが、その会社で入社後に明確にやりたいこと、配属を希望する部署が決まっていない人が大多数と思います。
例えば化学系のエンジニアと言っても実験・研究系なのか、製品開発、設計なのか、プラント系なのか可能性は様々です。
自分の希望が通らない可能性もあります(通らないことも多いです)。
一方で「化学部門の技術士」を目指して技術士補の資格を取っておくことは「化学部門のエンジニア」というキャリアのライン上にあるため将来的にも無駄にならず大きなプラスにできます。
就職活動を有利にする資格取得の考え方とアピール【学生・若手向け】
「資格を取れば実務能力がある」
「資格があれば転職に有利、この先も安泰だ」
というわけではありません。
資格は “持っているだけ” ではあまり効果がありませんし、実際の仕事に専念して実務能力を上げなければいけないのは大前提です。
一方で、資格を持っているとあなたの “専門分野における対外的な信頼度” は向上します。
それは言葉だけでなく資格を取るために実際に行動して具体的な結果を出すまで継続したことが相手に理解されやすいからです。
思い→行動→結果に結び付けた一連のプロセスをアピールしよう
例えば同じ成績、性格で電気工事会社に就職面接に来た2人の学生、AさんとBさん(第二種電気工事士を在学中に取得)がいたとします。
面接でそれぞれ次のように語ったとして、あなたならどちらを採用したいと思いますか?
Aさん:「電気が好きで電気工事の仕事をしたいと思っています。将来は誰よりも技術を持った電気工事士になりたいと考えています」
Bさん:「電気が好きで電気工事士の仕事をしたいと思い、在学中に第二種電気工事士を取得しました。ますますこの仕事がしたいと思い、御社で実務経験を積みながら第一種電気工事士を目指したいと考えています。」
Aさんの言葉には “まっすぐな気持ち” があるかもしれませんがそれを裏付ける行動や根拠、実績がありません。
将来について「 誰よりも技術を持った電気工事士になりたい 」という話に “裏付け” がないので、説得力は感じられないと思います。
Bさんの言葉には「思い→行動→結果」という実績があります。
そのため将来的に第一種資格の取得を目指して実務経験を積みたいという具体的な話に説得力があります(真面目に仕事に取り組んでくれそうなイメージがしやすい)。
就職活動を有利にするために資格取得の経験について、思い→行動→結果に結び付けた一連のプロセスを語れるようにしておきましょう。
「自分がどんな思いを持って資格取得を決意し、勉強・受験という実際の行動に移し、資格取得という結果に結びつけた、そして今後その経験を生かしてどのようなキャリアビジョンを持っているか」このように語ることができれば面接でのアナタの説得力は増すはずです。
資格取得は「キャリアの方向性や体系的な知識ベースをつくる手段」
それでは最後にあらためてまとめておきます。
- 資格はどんなエンジニアリング分野、キャリアを目指すかという視点で選ぶ
- なにを目指せばいいかわからないなら分野別に入門資格を受けて自分の適性や感覚を確認する
基本情報技術者、第二種電気工事士、機械設計技術者3級などがおすすめ - 技術士補なら将来的に自分が目指す技術分野のエンジニアのキャリアに生かすことができる
- 資格を就職に生かすなら、思い→行動→結果に結び付けたことを語る
自分が電気エンジニアとしてどんな技術部門・分野のプロフェッショナルを目指したいか、どんなキャリアを積みたいか、そのためにどんな準備ができるのか、について考えながら取得すべき資格を検討し、現状で受験できるなら積極的に受験しましょう。
就職や転職に資格を生かすことを考えるなら、「自分がどんな思いを持って資格取得を決意し、勉強・受験という実際の行動に移し、資格取得という結果に結びつけた、そして今後その経験を生かしてどのようなキャリアビジョンを持っているか」について語りましょう。
資格をうまく活用して自分のキャリアを見定めたり、進みたい方向の学習、準備をする、自分の思いと行動の結果として信頼性の向上に生かすことをおすすめします。
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