当ブログ記事は電気系エンジニアを目指す人に向けて技術部門別に電気の資格とキャリア戦略についてまとめています。
【電気の資格】電気系の学生・若手エンジニア向けおすすめキャリア戦略
「電気初心者だけどたくさんある電気の資格からどれを目指したらいいのだろう」
「資格とキャリアの関係はどんなイメージを持てばいいのだろう」
「とりあえず第二種電気工事士を取ろうと思うけどその先は?」
このような疑問や不安を持つ電気系エンジニアを目指す学生、電気関連企業に就職した新入社員・若手社員も多いのではないでしょうか?
当ブログ記事はこれから電気系エンジニアを目指す人(これから目指す人も)に対して、どのような視点で資格取得やキャリアアップを考えたらいいかという視点でまとめています。
もちろん人によってキャリアの作り方、考え方は異なるので記事内容と実際が異なることもあると思いますがその点はご容赦くださいませ。
最初に結論をまとめておきます。
- 電気エンジニアを目指す人は最初に第二種電気工事士の資格を取得して適性や自分が目指すエンジニア像を考えるとよい
- 電気の技術部門の中からどの分野に進みたいか考えながら資格取得や就職・転職を考えるとよい
- 実務経験を重ねて経験を積みながらさらに上位資格の取得を目指す
- 仕事やプロジェクトの規模を求めるなら上位資格取得と大きいプロジェクトを扱う企業への転職も検討する
- 仕事の規模感にこだわらずに関連する資格を複数取得しながら自分のスキルの守備範囲・実務能力を広げるキャリアプランもある
- 独立や事業承継を目指すなら仕事の規模を追わずにスキルを磨く。並行して人脈や営業力、人望、経営能力も考慮して経験を積む。
記事全体が非常に長くなってしまったので時間が無い人は目次から興味のあるところに飛んで読んでください。
すでに第二種電気工事士の受験を考えている人は、こちらに筆記試験についてまとめているので参考に。
→「第二種電気工事士 筆記試験対策【必要なこと総まとめ】」
電気の資格 種類と一覧【主要な電気の資格をピックアップ】
「どの資格を目指したらいいのか」を知るためには「どんな技術部門・分野を目指すのか」について明確にする必要があります。
こちらに電気の技術部門・分野に対する電気資格を一覧表にしてみました。
技術部門・分野 | 電気の資格 | 種別、級の分類と順番(易しい→難しい 順番) |
---|---|---|
電気工事 | 電気工事士 | 第二種 → 第一種 |
施工管理 | 電気工事施工管理技士 | 2級 → 1級 |
設備管理・保全 | 電気主任技術者 | 第三種 → 第二種 → 第一種 |
電気通信 | 電気通信の工事担任者 | AI種(アナログ)、DD種(デジタル)、AI・DD総合種 |
電気通信主任技術者 | 伝送交換主任技術者、線路主任技術者 | |
電気通信通信工事施工管理技士 | 2級 → 1級 | |
電気電子一般 | 技術士 | 電気電子部門 |
他にも消防設備士や認定電気工事従事者、特殊電気工事者、エネルギー管理士などの資格がありますが、これらはすでにキャリアや目標が明確になっている人が多いので今回は割愛させてもらいます。
この一覧表の左端列「 技術部門・分野 」について、自分がどんな電気エンジニアを目指したいかイメージしてみましょう。
ちなみに以降の記事は「エンジニアとしてのキャリアアップ」という視点で書いています。「エンジニアから管理職になって部門長になる」というような “会社員としてのキャリアアップ” については割愛しています(もちろんそれも素晴らしいことですので、念のため)。
種や級の順番と難易度
「一種と二種のどちらが難しいの?」
「1級と2級はどちらを先に受験するの?」
という疑問をよく耳にします。
電気工事士で言うとチャレンジする順番は第二種→第一種です(第一種の方が難易度が高い)。
電気工事施工管理技士で言うとチャレンジする順番は2級→1級です(1級の方が 難易度が高い)。
電気初心者におすすめの資格は第二種電気工事士【学生や新入社員はここからスタート】
まず電気エンジニアを目指すうえで最初にチャレンジした方がいいのが第二種電気工事士です。
電気工事士の資格は「自分が電気工事するための資格」です(管理・監督ではなく自分がやるための資格)。
第二種は入門の位置づけの資格であり、資格取得に必要な勉強と実技練習によって基本的な電気の知識と作業を身に付けることができます。
電気工事士の資格について必要な情報をこちらのブログ記事にまとめています。
→ 電気工事士の資格について総集編【受験を検討している人向けの情報を集めました】
すでに受験を決めている人は筆記試験の対策に必要なことを紹介していますので参考に。
→ 電気工事士の筆記試験に必要なこと総まとめ
よく「学生時代に第二種をとっておけ」、「新入社員は自己啓発で第二種を取得しておいて」と言われるのは、資格取得の勉強を通して手っ取り早く基礎的な知識と技能を身に付けることができるからです。
どの電気分野を目指すにしても第二種の資格取得を通して学ぶことは電気エンジニアなら必要な内容です。
第二種電気工事士を通して”自分のやりたい電気技術分野”について考える
第二種電気工事士にチャレンジしながら自分がどんな気持ちを抱くか、どの技術分野に興味があるか、下記のようなイメージで考えてみましょう。
- さらに電気工事に興味があれば電気工事士を目指そうかな
- 将来的には電気工事士として独立したいな
- 作業があまり好きじゃないことがわかったので電気設計や研究職を目指そうかな
- 電気工事よりも通信の方が興味があるな、将来性もあるし
- 工事よりも建物の全体管理の中で電気と関わりたいな
- 電気工事よりも保全やメンテナンスの方が向いてるかな
すでに第二種電気工事士資格は取得済という人は自分がどう感じたかについて思い出してみると共に、現在の仕事との関係性、自分の好き嫌いについて考えてみましょう。
「電気は向いてないな、建築分野に行こうかな、機械に転向しようかな」でもいいと思います。
人生は長いので “もう遅い” なんてことはないと思います(やる気さえあれば)。
電気の入門資格である第二種電気工事士にチャレンジしながら “自分が感じること” に耳を傾けて将来のなりたいエンジニア像について考えてみましょう。
新入社員研修などで取得が必須になっている場合、難しいことは考えずに勉強して資格取得しましょう。
資格試験の詳細については必ず受験前に正式にWebサイト 一般財団法人 電気技術者受験センター で確認してください。
電気工事エンジニアとして第一種電気工事士を目指すキャリア戦略
第二種電気工事士を取得して「電気工事士になりたい」と思ったら、電気工事会社で実務経験を積んで第一種電気工事士を目指しましょう。
この場合、資格としての目指すビジョンは一番わかりやすいです(第二種→第一種電気工事士の資格)。
一方で所属する会社によって主とする電気工事の種類が異なるので自分が何の電気工事のプロフェッショナルになりたいか考えましょう。
例えばこんな感じです。
- 町の電柱や配電などの電気工事を通じてそこで暮らす人たちの役に立ちたい
- 鉄塔に上ったり変電所にて大電圧を扱いながら社会インフラに携わりたい
- 住宅設備やオフィスの電気工事の専門家になり、将来的に独立したい
これらのイメージによって自分に必要なスキルや実務経験が見えてくるので、イメージに近い業務内容の会社への入社を目指しましょう。
大きな設備やインフラの電気工事士になりたくても、いきなりその会社に入社することは難しいかもしれません。
そんなときは入社した会社で実務経験とスキルを積みながら転職活動を並行して、第一種の勉強を進めて資格取得も目指しましょう。
もしも将来的に変電所やダム、発電所など大きなインフラに関わりたい場合、さらに電気主任技術者などの資格も必要になる可能性もあります。
もちろん自分のやりたいことが段々と変化していく可能性もあります。
実務経験を積みながら自分のやりたい事と会社での実際の業務にズレが大きくなってきたら部署移動や転職も検討しましょう。
将来的に独立や事業承継を考えている場合、施設や設備、インフラの規模の大きさを追うのではなく、住宅設備やオフィスなどの電気工事全般のプロフェッショナルになる必要性があります。
仕事を取るための営業力や人脈、従業員確保のための人望、もちろん経営能力も重要ですのでそのような視点をもって修行しながらキャリアを積む必要があります。
- 第二種電気工事士にチャレンジして適性を感じたら電気工事士を目指してみる
- 「何の電気工事士のプロフェッショナルになりたいか」考えて入社する会社や転職先を検討する
- 設備インフラの規模の大きさを求めるなら、第一種など必要な資格を取りつつキャリアアップ転職の活動を並行する
- 将来的に独立、事業承継したいなら住宅やオフィスなどのプロフェッショナルを目指す。仕事を取るための営業力や人脈、人望、経営能力も重要。
電気設備保全エンジニアとして電気主任技術者を目指すキャリア戦略
第二種電気工事士の取得経験から「自分で電気工事するよりも保守・保全・メンテナンスに興味がある」と思ったら電気設備保全のエンジニアを目指すキャリアマップがあります。
国家資格でいうと電気主任技術者にあたります。
電気主任技術者は工場やビルなどの電気設備に関する工事・保守、運用などの保安監督者として従事する資格です。
第一種・第二種・第三種と3つに区分されており、それぞれ対象の電圧範囲が異なります。
電圧5万V未満の小規模なビルや作業場は第三種電気主任技術者が対象となります。
電圧17万ボルト未満の中規模なビルや工場は第二種電気主任技術者です。
第一種電気主任技術者は取り扱う電圧に制限がないので発電所などの大規模設備の保安監督者をすることができます。
「より大きな施設・設備の電気に関わりたい」と思ったら、第三種 → 第二種 → 第一種と資格を取得していく必要があります。
職場も転職しながら大きな施設に移っていくキャリアイメージです。
一方で最初に受験するであろう電験三種でも難易度の高い資格です。
会社で取り扱う設備・建物の規模にこだわらないなら、消防設備士や特殊電気工事者、エネルギー管理士、ボイラー技士など、管理対象の電気設備や建物に関係する資格を取りながら「その管理対象設備・建物全体のプロフェッショナルになる」というキャリアマップもあります。
- 保守・保全に興味があるなら電気主任技術者を目指す
- 第三種から第一種まで扱う電圧に制限があるので、上位資格を取得しながら転職して高電圧設備のキャリアを積む
- 大きな規模の設備・建物にこだわらないなら消防設備士やエネルギー管理士などの資格取得を進めて、その管理対象設備・建物全体のプロフェッショナルを目指す
施工管理エンジニアとして電気工事施工管理技士を目指すキャリア戦略
施工管理系の電気エンジニアなら電気工事施工管理技士の資格です。
主に電気工事会社やゼネコンの電気設備部門の人が対象となります。
電気工事施工管理技士の資格は1級と2級に分けられており、より大きな現場やプロジェクトに携わりたいなら1級を目指す必要があります。
自分の勤務先(望んでいる転職先も含めて)の企業規模にもよりますが、1級を取得して徐々に大きな現場やプロジェクトで経験を積んでいくことがキャリアアップとなると思います。
一方で会社の規模に関係なく、施工管理技士の資格の他に第一種電気工事士など関連資格を取得してキャリアの幅を広げながらマルチプレーヤーとして現場でさらに活躍するようなキャリアケースもあります。
- より大きな現場、プロジェクトを目指すなら資格は1級を取得し大きな会社への転職も検討する
- プロジェクト規模の大小を追わないなら現場の技術やキャリアの幅を広げながら並行して関連資格を取得し守備範囲を広げる
電気通信エンジニアの資格とキャリア戦略
インターネットや国際間・国内通信、衛星通信など電気通信エンジニアは将来的にも非常に必要とされています。
世の中ではITエンジニアの不足が叫ばれていますが、それを支えるハードインフラ系の電気通信エンジニアも同じように不足しています。
住宅やオフィス設備など小規模な業務から国際間・国内通信や衛星通信など大きなプロジェクトまで、今後の需要が増えることは予想できます。
電気通信関連の資格も複数あってわかりにくいのでまずは一覧表にしてみました。
電気通信の資格 種類と一覧【主要な電気通信の資格をピックアップ】
こちらが電気通信の主要な資格の一覧表です。
技術部門・分野 | 電気の資格 | 種別、級の分類と順番(易しい→難しい 順番) |
---|---|---|
電気通信 | 電気通信の工事担任者 | AI種(アナログ)、DD種(デジタル)、AI・DD総合種 |
電気通信主任技術者 | 伝送交換主任技術者、線路主任技術者 | |
電気通信通信工事施工管理技士 | 2級 → 1級 |
それぞれについて見ていきます。
電気通信の工事担任者
電気通信の工事担任者は電気工事士の資格をイメージするとわかりやすいと思います。
つまり「自分で電気通信工事をするための資格」です。
工事の対象が AI種(アナログ)、DD種(デジタル)、AI・DD総合種 に分類されています。
AI種、DD種、それぞれについて第三種→第二種→第一種があり、工事可能な回線数や端末設備が区分されています。
AI・DD種は区分が無く種別に関わらず対応することができます。
キャリアのイメージですが第三種→第二種→第一種と資格取得を進めながら実施できる機器類や業務範囲を増やしていくようなキャリアマップです。
DD種の場合ネット工事業者や回線開通業者に就職して工事に従事するパターンがイメージしやすいと思います。
電気工事士の人が通信工事も自社で請け負うために電気通信の工事担任者資格を取得(あるいは新規採用)して業務範囲を広げるパターンもあります。
規模感を求めるキャリアを考えるなら電気通信主任技術者や電気通信工事施工管理技士を取得して大きなプロジェクトに携わる方向性を目指します。
規模感を求める場合は取り扱う業務が大きく変わるため、転職もあわせて検討する必要性が出てきます。
電気通信主任技術者
電気通信主任技術者は電気主任技術者の通信工事のパターンとイメージするとわかりやすいと思います。
電気通信工事の現場監督をすることができます。
伝送交換主任技術者と線路主任技術者に分類されており、それぞれ伝送交換設備と経路設備が対象として区分されています。
ある程度大きな通信工事会社に入社して経験を重ねながら、より規模の大きい、難易度の高い業務を経験しながらキャリアアップしていくイメージです。
新設された電気通信通信工事施工管理技士
電気通信工事における施工管理技士として新設された資格です。
電気通信工事に関わるエンジニアが大幅に不足していることから、施工管理できるエンジニアを確保すべく作られた資格です。
キャリアアップのイメージは電気通信主任技術者と同じようなパターンと考えていいと思います。
電気電子・電気設計エンジニアとして技術士を目指すキャリア戦略
製品設計や設備機器、自社の生産設備、電子基板などの電気設計や製造、研究、実験に関わる電気エンジニアについて、資格の考えが少し変わってきます。
今まで挙げてきた電気の資格は「資格が無いと当該業務に従事できない」いわゆる「業務独占資格」と呼ばれる資格です。
一方でメーカーや研究機関へ勤務する電気系エンジニアについてはそのような業務独占資格を必要としない業務が多いと思います。
電気設計は資格が無くてもできますよね。
そんな電気系エンジニアに私がおすすめしたいのが技術士資格です。
技術士はエンジニアとして問題解決を行うプロフェッショナルとしての資格です。
全部で21の技術部門に分かれており、電気エンジニアは電気電子部門が適しています。
技術士電気電子部門についてはこちらのブログ記事で詳しく分析しています。
→ 技術士電気電子部門の試験・難易度について
技術士の資格はエンジニアとしての信頼の証明
製造業、メーカー勤務の中で資格というとあまり馴染みが無いかもしれませんが、技術士資格を持っていると「エンジニアとして一定レベル以上の課題解決能力を持っている」という対外的な信頼性を得ることができます。
簡単に言うと、社内・社外におけるあなたのエンジニアとしての信頼度が上がります。
自分が会社や研究機関で培ったエンジニアとしての能力・経験を社外でも認めてもらう資格として取得することが多いです。
会社によっては技術士手当や取得報奨金などがあったり、博士と同等と評価する会社もあります。
エンジニアとして生きていくと決めているなら取っておきたい資格ですのでチャレンジをおすすめします。
技術士資格は名称独占資格(業務をするときに名乗らないといけない資格)と言い、資格を所持していないとできない業務というものではありません。
技術士は国家資格なので、その信頼度の高さからコンサルティング的な位置づけが大きい資格です。
キャリアマップとしては研究機関や一般企業の設計者、生産技術者、実験・研究者などの企業内技術士、あるいはコンサルとして技術士事務所を設立して独立開業する人もいます。
在職中に自分の専門分野に関する技術士資格を取得しておき、定年退職後に独立開業して自分のペースで働く人もいます(仕事を取るための専門性や市場性、人脈も重要です)。
→ 独立開業した技術士はどのように仕事をしている?【どんな働き方?】
- メーカーや研究機関に勤める設計・開発・実験といった電気エンジニアがキャリアをつくるのにおすすめなのが技術士
- 社内で実績を積みながら技術士資格を取ることで、社外でも通用する一定以上の能力を持っているという信用を得ることができる
- 専門分野のコンサルティング業務にて独立開業する人もいる。その場合はビジネスとして成立する専門性や市場性、人脈も重要。
電気エンジニアとして資格とキャリアの考え方
「資格を取れば実務能力がある」
「資格があれば転職に有利、この先も安泰だ」
という時代ではありません。
資格は “持っているだけ” ではあまり効果がありませんし、実際の仕事に専念して実務能力を上げなければいけないのは大前提です。
一方で、資格を持っているとあなたの “専門分野における対外的な信頼度” は向上します。
それは言葉だけでなく資格を取るために実際に行動して具体的な結果を出したことが相手に理解されやすいからです。
まったく同じ実務能力・成果の人がいたら資格を持っている人の話の方が “専門分野における対外的な信頼度” は向上するため説得力が上がります。
自分が電気エンジニアとしてどんな技術部門・分野のプロフェッショナルを目指したいか、どんなキャリアを積みたいか、そのためにどんな準備ができるのか、について考えながら取得すべき資格を検討し、現状で受験できるなら積極的に受験しましょう。
資格をうまく活用して自分のキャリアを見定めたり、進みたい方向の学習、準備をすることをおすすめします。
勤務先や学校で求められている資格とキャリアが第一優先
自分の考え方を決めるうえで「会社や学校が必要としている資格」も重要です。
所属している勤務先や学校で推奨している資格がある場合、まずはそれを目指すことを考えましょう。
会社や学校では必要とされるスキルや資格を考慮した上で社員や学生に対して「勤務先や就職先で必要とされる資格、キャリア」を提案しています。
特に業務に際して資格が必須(資格が無いと業務に従事できない)の場合もあるので、ピンとこない人は上司・先輩に聞いてみましょう。
会社が望んでいない資格を取得しても実務経験との方向性がずれてしまい、本人のキャリアや評価において有利にならないので注意が必要です。
転職を視野に入れるなら”自分が成りたいエンジニア像”を考えて準備する
すでに現在の勤務先から転職を見据えている人の資格とキャリアの考え方です。
同じ技術分野での転職ならば現在の上位資格の取得を目指せば転職で有利になります(現在が第二種電気工事士なら第一種、現在が施工管理2級なら1級といった具合)。
この場合、転職時に必ずしも上位資格に合格していなくても
「上位資格の取得に向けて勉強中です」
「一度受験したのですが駄目だったので次回またチャレンジするために勉強中です」
といったアピールも有効と思います。
技術分野を変えたい、広げたいときはその分野の入門資格にチャレンジする
技術分野を変えたい、さらに自分の専門分野を広げる転職を考えているなら、ターゲットとなる資格の入門資格(第二種電気工事士や施工管理2級など)にチャレンジしましょう。
「資格があっても実務経験がないと転職に有利にならない」
「上位資格(電気工事士なら第一種、施工管理なら1級)を持っていないと転職に有利にならない」
という人も多いですが、私はそう思いません。
今の自分にとって実務経験がない状況ではありますが、自分のキャリアを真剣に考えたうえで転職先の入門資格にチャレンジして準備している、行動していることをアピールしましょう。
もしも私が採用担当者だったなら「どうせ資格なんて意味ない、必要なら採用されてから勉強して受験する」と考えている人よりも「御社のエンジニア分野に興味がありキャリアの準備として第二種の資格を取得しました」という人の方が採用してみたいと感じます。
実務経験を積みながら徐々に難易度の高い資格にチャレンジ
電気の資格には種別や級が分類されています。
例えば電気工事士であれば第二種が初心者、第一種が実務経験者(試験は未経験でも受験可、免状は実務経験が必要)となっていて第一種の方が難易度が高いです。
「実務経験を積んでから難易度の高い第一種を受験すればいいいや」
「第二種は難易度が低いから取得してもあまり意味ないかな」
のように考えない方がいいです。
自分が目指す技術部門・分野の入門資格を受けることで「自分にとっての適性」も見えてきます。
入門資格をやってみて「自分に向いてないな」と感じたら早い段階で方向修正も可能です。
まず自分が目指す技術分野の入門資格を受験して、勉強の適性や仕事のイメージが自分に合っているか、なりたいエンジニア像に合っているか考えてみましょう。
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