スポンサーリンク

【技術士試験の過去問解説】ユニバーサルデザインとバリアフリー

スポンサーリンク
【技術士試験の過去問解説】ユニバーサルデザインとバリアフリー 技術士
この記事は約8分で読めます。
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています
スポンサーリンク

ユニバーサルデザインとバリアフリーについて、技術士一次試験の過去問の解説を交えてまとめています。

【技術士試験の過去問解説】ユニバーサルデザインとバリアフリーについて

技術士試験の過去問に出題されたキーワードについてピックアップして学習資料としてまとめます。

不定期でスミマセンができるだけ増やしていきたいと思います。

一次試験のおすすめ参考書をこちらで紹介しているので受験を考えている人はぜひ参考に。
→ 技術士一次試験 基礎・適性科目おすすめ参考書【1冊でOK】

参考書だけだと自分で学習ペースを保てるか不安という人は通信教育がおすすめです。
→ 技術士一次試験おすすめの通信教育【学習ペース維持が不安な人へ】

ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザインとは、ノーマライゼーションとバリアフリーの考え方の広がりを受けて1980年代に提唱された考え方です。

ユニバーサルデザインは特別な設計やデザインの変更を行うことなく、可能な限りすべての人が利用できるよう製品や環境を設計することを意味しています。

さらに詳しく知りたい人はWikipediaをご参照ください。

ユニバーサルデザインの7つの原則

以下がユニバーサルデザインの7つの原則です。

  1. 誰もが公平に利用できる
  2. 柔軟性がある
  3. シンプルかつ直観的な利用が可能
  4. 必要な情報がすぐにわかる
  5. ミスしても危険が起こらない
  6. 小さな力でも利用できる
  7. 利用のためのじゅうぶんな大きさや広さが確保されている

ユニバーサルデザインの例

ユニバーサルデザインの例としては下記のようなものが挙げられます。

  • 健常者でも車椅子でも問題なく利用できる大きさのエレベータ
  • 文字ではなく視認性の高い図による案内板
  • マニュアルを見ないでも直観的に操作がわかる機器
  • 車椅子でも問題無く出入りできるスロープの玄関

バリアフリーとは

バリアフリーとは障害者にとって障害となるものを取り除く社会、環境を目指すという米国発の考え方です。

ちなみに○○フリーとは一般的に「○○が無い」「○○の拘束を受けない」「無料」という意味で使われるので覚えておきましょう。
今回は「バリアフリー」なのでバリアが無い、つまり「障害が無い」「障害の拘束を受けない」ことを意味します。
例)鉛フリー半田、タックスフリー、etc.

公開されている技術士一次試験の過去問には解説が無い

ユニバーサルデザインとバリアフリーについて過去に出題されていますので問題の回答と解説を通してキーワード学習しておきます。

過去問と解答は日本技術士会のWebサイトに公開されています。
→ 日本技術士会 Webサイトへ

このサイトで問題と解答が公開されているのですが解説がありません。

今回は解説および関連するキーワードについてまとめます。

過去問からキーワードを抽出して学習範囲を広げていく

単純に過去問を解くだけでなく「過去問から勉強する」ことを考えましょう。

派生学習して守備範囲を広げておけば類似問題が出題された時でも正答できる可能性が上がります。

キーワード学習についてはマインドマップを作成して関連性や優先順位を付けると覚えやすいです。
→ 技術士二次試験 筆記と口頭対策はマインドマップ勉強法で脳内を整理
記事タイトルは二次試験となっていますが、一次試験でもバッチリ有効な方法です。

技術士一次試験 令和2年 基礎科目 I-1-1 の問題

それでは令和2年 基礎科目 I-1-1 の問題文を見てみましょう。

ユニバーサルデザインに関する次の記述について、「 」に入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

北欧発の考え方である、障害者と健常者が一緒に生活できる社会を目指す「 ア 」、及び、米国発のバリアフリーという考え方の広がりを受けて、ロナルド・メイス(通称ロン・メイス)により1980年代に提唱された考え方が、ユニバーサルデザインである。ユニバーサルデザインは、特別な設計やデザインの変更を行うことなく、可能な限りすべての人が利用できるよう製品や「 イ 」を設計することを意味する。ユニバーサルデザインの7つの還俗は、(1)誰もが公平に利用できる、(2)柔軟性がある、(3)シンプルかつ「 ウ 」な利用が可能、(4)必要な情報がすぐにわかる、(5)「 エ 」しても危険が起こらない、(6)小さな力でも利用できる、(7)じゅうぶんな大きさや広さが確保されている、である。

選択肢

カスタマイゼーション環境直観的ミス
ノーマライゼーション制度直観的長時間利用
ノーマライゼーション環境直観的ミス
カスタマイゼーション制度論理的長時間利用
ノーマライゼーション環境論理的長時間利用

技術士一次試験 令和2年 基礎科目 I-1-1

令和2年 基礎科目 I-1-1 回答と解説

回答は「③」 
ア、ノーマライゼーション
イ、環境
ウ、直観的
エ、ミス

これは文章問題でラッキー問題の部類に入る問題ですね。

試験開始して問題を一通り見渡した時に優先的に解答するべくチェックを入れる問題です。

キーワードである「ユニバーサルデザイン」について学習したことがなくても、慌てずにしっかりと文章を読んで客観的に判断することで得点したい問題です(失点したくない問題)。

解答すべき部分はア~エの4か所でそれぞれ2択となっています。

文章をしっかりと読みながら、自分がわかり易い部分や正答の可能性が高い選択肢にチェックをして解答を絞り込んでいきましょう。

それではア~エについてひとつづつ具体的に見ていきます

カスタマイゼーションか? ノーマライゼーションか?

「 ア 」の選択肢は カスタマイゼーション or ノーマライゼーション の2択です。

問題文は「北欧発の考え方である、障害者と健常者が一緒に生活できる社会を目指す」となっています。

元々の単語自体の意味が分からなくてもカスタム(特別仕様)かノーマル(標準)かといった言葉の意味から冷静に想像すると
「”一緒に生活できる”ということはノーマライゼーションかな」
と連想できます。

テストでの回答テクニック的には上記の流れのように判断していきます。

類似問題に対応できるように関連キーワードも学習しておきましょう。

覚えていなくても読んで理解しておくだけでかなり有利になると思います。

ノーマライゼーションについて

北欧諸国から始まった社会福祉の理念で障害を持つものと持たないものが平等に生活することが可能となるようにする考え方です。

言葉の意味としても「健常者、障害者のどちらにとっても支障が無いようにノーマル化されるべき」と考えると理解しやすいのでこのような印象で覚えておくとよいでしょう。

カスタマイゼーションについて

こちらは一般的には「カスタム」といった言葉から連想されるように、顧客や対象それぞれ個別に対して適合するように特注や特別設計することを意味します。

今回のI-1-1問題文にカスタマイゼーションを当てはめて考えるならば「障害者にカスタマイゼーションされた(特別仕様として設計する)」という風になりますね。

そのように考えれば消去法としても「 ア 」の選択肢は「ノーマライゼーション」を選択できます。

環境か制度か

「 イ 」の選択肢は 環境 or 制度 の2択です。

問題文は「製品や[イ]を設計する」となっているので、全体の文章を読んで「何の設計の話をしているのか」を判断するとわかり易いですね。

全体を読むと「製品や環境を設計する話」とわかると思います。

直観的か論理的か

「 ウ 」の選択肢は 直観的 or 論理的 の2択です。

ユニバーサルデザインの7つの還俗の説明の中の出題になっていますが、直後に挙げられている「(4)必要な情報がすぐにわかる」という文章がかなりのヒントになっています。
(引っかけ問題か?と疑いたくなるくらいのヒントですね)

ミスか長時間利用か

「 エ 」の選択肢は ミス or 長時間利用 の2択です。

当てはめて咀嚼して考えるとわかり易いでしょう。

  • 「ミス」しても危険が起こらない
  • 「長時間利用」しても危険が起こらない

のどちらかですね。

「ミスしても危険が起こらない」という文章から”フェールセーフ”を連想できるか

今回はユニバーサルデザインが題材の出題ですが、その中に「ミスしても危険が起こらない」という文章が含まれてます。

この「ミスしても危険が起こらない」という考え方は安全設計の思想として非常に重要であり、設計者が必ず理解しておくべきヒューマンエラーを考慮した設計思想です。

今回はユニバーサルデザインがテーマですが “設計” の話ですので、安全設計が担保されている必要もありますよね。

よってユニバーサルデザインの中にフェールセーフの思想が入っていても何ら不自然ではないと判断できます。

人間は必ずミスをするもの、機械設備にはトラブルが付きもの、という考えに基づいた設計をすべきであり、ミスしてもトラブルがあっても安全側に振れるようにしておく設計の事をフェールセーフ設計と呼びます。

フェールセーフ設計やフールプルーフ設計など安全設計の考え方についても過去の技術士試験で頻出分野なので別途勉強しておきましょう。

長時間利用 →時間の”長短”の違いでリスクが増減する話?

「長時間利用」という表現がありますが、”時間の長さ”がリスクに影響する話なのかな?という疑問を持てれば正しい判断ができますね。

時間の長短によるリスク影響を考えた場合、連想されるのは人の疲労や機械の摩耗、メンテナンス要否などですね。

今回の場合、時間の長短でリスクが増減する話ではないので、選択肢としては正しくないと連想することができます。

過去の類似問題の出題状況

下記の2年度にて類似した問題が過去に出題されています。

  • 平成26年 Ⅰ-1-1
  • 平成24年 Ⅰ-1-4 

出題のされ方や学習範囲の見極めの参考に合わせて確認しておくと効率的です。

また今回の令和2年と合わせて3回出題されていることからもユニバーサルデザインは重要視されている分野であることがわかります。


以上、ユニバーサルデザインとバリアフリーについて過去問の解説を交えたまとめでした。

一次試験のおすすめ参考書をこちらで紹介しているので受験を考えている人はぜひ参考に。
→ 技術士一次試験 基礎・適性科目おすすめ参考書【1冊でOK】

参考書だけだと自分で学習ペースを保てるか不安という人は通信教育がおすすめです。
→ 技術士一次試験おすすめの通信教育【学習ペース維持が不安な人へ】

こちらのブログ記事では他にも一次試験の対策や必要なこと、テクニックなどについて網羅してまとめています。
ぜひ参考にしていただき一次試験を乗り切ってください。

コメント