当ブログ記事では二次試験の筆記試験、口頭試験の勉強方法としてマインドマップを使った勉強方法をおすすめしています。
技術士二次試験おすすめ勉強方法【マインドマップで知識の体系化】
冒頭に写真を公開していますが、私が技術士二次試験の筆記試験の勉強、および口頭試験対策として実際に作成したマインドマップの1枚です。
このマインドマップ作成と覚え込みが技術士二次試験の筆記・口頭試験の勉強法として非常に秀逸でおすすめなのです。
マインドマップ勉強法は自分の脳内を整理し、関連用語を結び付けて「知識を体系化」することができます。
この知識の体系化によって、
筆記試験でスラスラと解答用紙に記述できる
口頭試験でスルスルと言葉が出てくる
そんな”技術士脳”になることができる勉強方法なのです。
冒頭の写真は「設計・開発」をテーマに作成したマインドマップです。
わたしの場合、試験会場で本番の試験が始まる直前ギリギリまで、これらテーマ別のマインドマップ数枚を眺めていました。
口頭試験では自分の業務履歴について棚卸してマインドマップを作成することによって、自分のキャリアの一貫性、関連性を俯瞰することができ、面接官に対して”繋がりを持った説明”ができるようになりました。
こちらのブログ記事には技術士二次試験対策の総まとめ記事として、勉強方法や筆記試験に必要なテクニック、おすすめ参考書や通信教育、技術キーワードに関する論文の解答例リンクについて網羅しています。
→【独学者必見】技術士二次試験 筆記口頭対策 総まとめ
こちらは二次試験のおすすめ通信講座の2つの講座について比較しています。
→ 技術士二次試験おすすめ通信講座2つを比較【コスト重視か添削回数か】
二次試験の過去問をみて “文章が書けない” と思った人へ
「答案用紙3枚分も書けないよ」
「文章が出てこない、ネタがなくて解答用紙が埋まらない」
筆記試験の過去問を最初に見た時、また試しに書いてみた時に、このように思う人は多いのではないでしょうか。
論文が “書けない”、”ネタがない” のは知識が体系化されていないから
今まで一次試験の勉強して合格した皆さんは “知識” は備わっている状況であると言えます。
それでもいざ筆記論文を書こうとしたときに、”文章が書けない”、”ネタがない” と感じるのは理由があります。
それは知識が断片化していて繋がりを持っていないことによる理由が大きいのです。
知識が繋がって体系化されていると話が広がっていく
頭の中に詰め込んだ知識が整理されて繋がりを持っていると、一つのネタから次のネタ、その不具合の対策から対策をしたときの懸念点、将来の懸念点、あるべき姿、と言ったように知識が連想ゲームのようにつながっていきます。
頭の中がこの状況になってくると、”ネタがない” どころか、”どのネタを書けば正解に近いか”、”これとあのネタを書けば解答用紙がいっぱいかな、余裕があったらアレも書こう” 、といったように色々な選択肢の中からネタを選べる状態になります。
マインドマップによる勉強方法でこの状態を目指します。
アウトプットの練習も必要
一次試験はインプット型の勉強方法を継続してきましたが、一方で記述式の論文はアウトプット型の試験です。
慣れるにはひたすら練習するしかないです。
二次試験の勉強方法はマインドマップで知識を体系化、繋がりを持たせる勉強をしながら、論文というアウトプットに慣れるように練習します。
筆記論文の練習についてはこちらのブログ記事にまとめているので参考にしてください。
→ 技術士二次試験 筆記論文2つの練習方法【練習の目的を明確に】
それでは実際にマインドマップを作成する手順を見ていきましょう。
マインドマップの実例を紹介【設計・開発】
はじめにマインドマップを作成しようと考えた時、まずは中核となるキーワードを書き出します。
分野ごとの関連するキーワードを洗い出して並べる
今回は「設計・開発」をテーマとするのでこちらが重要なキーワードとなります。
- コンカレントエンジニアリング
- トラブル分析の手法
- 信頼性設計、安全設計
- 設備保全
- 設計手法
- 開発テーマの検証
これらのキーワードを大枠として紙に書いて、囲っておきます。
さらにそれぞれのキーワードについて、子となるキーワードがあるので、それらを配置していきます。
例えば大枠がコンカレントエンジニアリングしたら、子キーワードはDRBFMやFMEA、ラピッドプロトタイピングなどです。
マインドマップ中にキーワードを配置し、それらをテーマごとに線で区分すると、それぞれのテーマの関連性が見えてきます。
線や矢印で関連性がわかるようにする
キーワードをおおよそ配置したら今度はそれらの関連性を矢印⇒で繋ぎます。
細かいキーワードについても関連性をわかるようにしたいときは線矢印→で繋ぐとわかりやすいです。
このあたりのルールや表示は自分なりの見やすい方法を決めてください。
最初は手書き、あとで整理
写真はパソコン(パワポ)で作成したものですが、最初は手書きで少し大きめの紙で作成しましょう。
裏紙に殴り書きでもOKです。
マインドマップ作成の目的は「頭の中に浮かんだ事を紙に書き出して、個々の関連を明確にする」ことです。
最初はきれいに書くよりもイメージの具現化を優先させてください。
パソコンでデータ化や清書する目的は、持ち歩いて見ること、タブレットで見ることなので、手書きの時点で必要となる情報を書き出して関連性が明確になってからでOKです。
マインドマップを眺めていると共通項が見えてくる
キーワードを配置していると共通点が見えてきます。
今回のテーマ「設計・開発」のマインドマップの場合、すべてに共通するのが「トラブルのフロントローディング、未然防止」です。
すべては中央に書いてある「トラブルのフロントローディング、未然防止」のために実施するべき事柄として並べられていることがわかります。
筆記試験は論旨ストーリーが必要
筆記試験の過去問をみるとわかると思いますが、問題において小設問が1)→2)→3)と設定されています。
よくあるのが、
- 考えられる問題点をいくつか挙げよ
- それぞれに対して対策を述べよ
- その対策を実施した時の懸念点を述べよ
といった形式の問題です。
これらは論旨が一連のストーリーとして繋がっている必要があります。
例えば出題のテーマが「コンカレントエンジニアリング」であった場合について考えます。
この場合、おそらく設問1)での問題点としては、開発スピードや商品リリースの短期化、試作の時間があるか、などになってくると思います(出題意図に合うものを選びます)。
設問2)の対策は左下の枠内DR~PDMから、こちらも出題意図に合うものを選びます。
設問3)にて2)で挙げた個々の対策による懸念点を述べた後、これらを未然防止するためにコンカレントエンジニアリングにてDR進捗管理、FMEAなどで未然防止するというストーリーになると自然です。
マインドマップで勉強していると自然とストーリーがつながる
今回のマインドマップの中心キーワードとなった「トラブルのフロントローディング、未然防止」ですが、これを今回の筆記試験の軸としたストーリーとして記述すれば、論旨の通った論文を書くことができます。
自分でマインドマップを作りながら、眺めながら、それぞれの関係性を把握していくと、
「全体的に俯瞰してみると、つまりこういうことだよね」
と自分なりの論理、ストーリーが出てきます。
この過程が非常に重要なのです。
マインドマップは作成したら完成ではなく、さらに得た知識や論理を加えてブラッシュアップさせていくことでさらに効果を発揮します。
マインドマップをブラッシュアップしていくことが、自分の知識体系をレベルアップさせていくのです。
このマインドマップ上に記載されたキーワードが出題された場合、筆記試験の論旨ストーリーや関連技術、キーワードがスラスラと自分の言葉として導きだすことができます。
マインドマップにキーワードを集めて”試験問題を捕まえる網”を広げる
マインドマップにキーワードを集めながら、個々のキーワードそれぞれについて不具合やその対策、懸念事項を覚えていきましょう。
そして「マインドマップに書いてあることは説明できる」という状態になっていれば、試験問題に対して網を広げた状態になっていると言えます。
その網が広ければ広いほど、筆記試験で自分が対応できる範囲が広いことを意味します。
マインドマップ勉強法なら “文章を丸暗記” なんてしなくていい
マインドマップは一枚のシートなのでそれ自体は文章ではありません。
キーワード自体の意味やその対策、懸念事項などを覚えながら、キーワード同士の関連性で自分の記憶にとどめていくので、論文の文章は本番で書くことになります。
そのため勉強は文章を暗記するのではなく、マインドマップを元に徹底的に “論文を書く練習” をします。
文章を丸暗記していた場合、もしも本番でヤマが外れたら全く書けません。
一方でマインドマップ勉強法であれば、もしもマップから外れたキーワードが出題されても、マップの端のどれかに関連させることができればストーリーを作ることが可能です。
“関連性”をうまく応用して守備範囲を広くすることができるのです。
実際の筆記試験における考え方を見てみよう
実際の技術士二次試験の筆記試験(機械部門)の問題として、
「3Dプリンタ技術について述べよ」
と出題された場合について考えてみましょう。
先ほどのマインドマップが頭に入っていれば、3Dプリンタが左下のテーマ「コンカレントエンジニアリング」の中にあります。
よって3Dプリンタの目的としてはフロントローディングによる不具合の未然防止のためのラピッドプロトタイピングの一つであることを書けば自然な論旨ストーリーであるとわかります。
必要に応じて(解答用紙の余白に応じて)関連する技術であるFMEAやCAEシミュレーションなど、同じ「コンカレントエンジニアリング」のテーマ枠に入っているキーワードを挙げながら説明しましょう。
この辺のサジ加減は文字数や出題ニュアンスを見ながら調整します。
実際に「3Dプリンタ」をキーワードとした筆記試験を想定して書いた論文の解答例を公開していますので、こちらも参考にしてみてください。
→ 技術士二次試験 解答例② キーワードは【3Dプリンタ】
さらにマインドマップ勉強方法の紹介【熱と動力エネルギー】
もう一つ私が実際に作成したマインドマップを紹介します。
こちらは熱エネルギーと動力エネルギーのマインドマップです。
こちらのマインドマップはストーリー性よりも関連性を整理するために作成しました。
各サイクルの名称や特性を整理、記憶するために作成したのですが、論文試験での脳内整理に利用しました。
マインドマップ勉強法で知識を体系化すると”技術士脳”になれる
このように自分の知識をテーマ別に分けてマインドマップを作成することによって、個々のキーワードの意味を理解し、それぞれの関係性を整理して体系化することができるようになります。
特に筆記試験ではどのようなキーワードが出題されるかわからないため、マインドマップ勉強法で自分の守備範囲を広げておくことによって、
筆記論文試験に有利な「技術士脳」になることができます。
技術士二次試験の筆記試験対策として何をやったらいいのかわからない、という人には特におすすめの勉強方法です。
口頭試験の勉強方法【マインドマップで経験を体系化すれば面接で語れる】
私の場合、二次試験合格後の口頭試験の勉強としてもこのマインドマップを作成しました。
自分の14年間のエンジニア業務経験において大きく3つの分野に関わってきたので、3枚のマインドマップを作成しました。
それを俯瞰して眺めながら自分の業務を説明できるように面接をイメージしました。
自分の経験してきた個々のスキルも単独したスキルではなく、それぞれが密接に(あるいは間接的に)関係しており、体系化していることが確認できると思います。
このスキルや知識の体系化のそれぞれの関連性による相乗効果が発揮されることで「独自のスキル」となっているとも言えます。
「○○の業務経験をしていたため、次の△△の業務に生かすことができた」
「◇◇で得た知識や思考力が、後の◎◎業務で困った時の糸口を掴むきっかけとなった」etc
自分のスキルや経験が次業務に役に立ったことを実感できるハズです。
説得力も上がります。
本番の面接で見せることはできませんが、自分の頭の中を整理することで、聞かれた質問にもすんなりと答えることができるようになるのでおすすめです。
以上、技術士二次試験の筆記・口頭の勉強方法としてのマインドマップの紹介でした。
こちらのブログ記事には技術士二次試験対策の総まとめ記事として、勉強方法や筆記試験に必要なテクニック、おすすめ参考書や通信教育、技術キーワードに関する論文の解答例リンクについて網羅しています。
→【独学者必見】技術士二次試験 筆記口頭対策 総まとめ
こちらは二次試験のおすすめ通信講座の2つの講座について比較しています。
→ 技術士二次試験おすすめ通信講座2つを比較
自己流ではなく正統派マインドマップを身に付けたい人は
「マインドマップっていいね、仕事や今後の色々な勉強に使えるかも」
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