当ブログ記事では技術士倫理綱領について「丸暗記ではなく3義務2責務と関連させて “理解する” と効果的ですよ」と提案しています。
技術士倫理綱領について
技術士倫理綱領は日本技術士会WebサイトにアップされておりPDFでもダウンロードが可能ですが、こちらに挙げておきます。
【前文】に綱領についての概要説明があり、【基本綱領】に具体的な内容が記載されています。
技術士倫理綱領【前文】
技術士は、科学技術が社会や環境に重大な影響を与えることを十分に認識し、業務の履行を通して持続可能な社会の実現に貢献する。
日本技術士会Webサイトより引用
技術士は、その使命を全うするため、技術士としての品位の向上に努め、技術の研鑚に励み、国際的な視野に立ってこの倫理綱領を遵守し、公正・誠実に行動する。
技術士倫理綱領【基本綱領】
公衆の利益の優先
日本技術士会Webサイトより引用
1.技術士は、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する。
持続可能性の確保
2.技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたる社会の持続可能性の確保に努める。
有能性の重視
3.技術士は、自分の力量が及ぶ範囲の業務を行い、確信のない業務には携わらない。
真実性の確保
4.技術士は、報告、説明又は発表を、客観的でかつ事実に基づいた情報を用いて行う。
公正かつ誠実な履行
5.技術士は、公正な分析と判断に基づき、託された業務を誠実に履行する。
秘密の保持
6.技術士は、業務上知り得た秘密を、正当な理由がなく他に漏らしたり、転用したりしない。
信用の保持
7.技術士は、品位を保持し、欺瞞的な行為、不当な報酬の授受等、信用を失うような行為をしない。
相互の協力
8.技術士は、相互に信頼し、相手の立場を尊重して協力するように努める。
法規の遵守等
9.技術士は、業務の対象となる地域の法規を遵守し、文化的価値を尊重する。
継続研鑚
10.技術士は、常に専門技術の力量並びに技術と社会が接する領域の知識を高めるとともに、人材育成に努める。
読み方は最初におさえておこう
倫理綱領の漢字の読み方は「りんりこうりょう」です。念のため。
口頭試験で読み方を間違えていると恥ずかしい(& 回答の説得力ダウン)ので最初におさえておきましょう。
技術士倫理に関するブログ記事を下記リンク先にまとめてみました。
倫理に関する対策学習はこちらのページをブックマークしておけば時短できます。
→ 技術士倫理の総まとめ【一次・二次・口頭試験の重要ポイントも】
技術士倫理綱領は3義務2責務と一緒に関連させて理解しよう
3義務2責務については、技術士を目指す上で最初に学習すべきものです。
詳しくはこちらのブログ記事で説明しています。
→ 技術士 3義務2責務について【覚え方のコツ】
今回のブログ記事では技術士倫理綱領との関係について説明します。
技術士倫理綱領は具体的な行動指針に落とし込んだもの
3義務2責務は文字通り3つの義務と2つの責務について述べています。
一方で技術士倫理綱領は10項目があり、前文の最後に「~行動する」と書いてあります。
倫理綱領の各内容を読んでみると、それぞれが3義務2責務のどれかに包含されていることがわかります。
よって倫理綱領はさらに具体的な行動指針に落とし込んだものと考えてよいです。
対応する技術士倫理綱領の分類
3義務2責務それぞれについて、技術士倫理綱領がどのように対応しているか分類してみました。
3義務2責務 | 対応する倫理綱領 |
---|---|
信用失墜行為の禁止 | 真実性の確保 |
公正かつ誠実な履行 | |
信用の保持 | |
法規の遵守等 | |
秘密保持義務 | 秘密の保持 |
名称表示の場合の義務 | 有能性の重視 |
相互の協力 | |
公益確保の責務 | 公衆の利益の優先 |
持続可能性の確保 | |
資質向上の責務 | 継続研鑽 |
倫理綱領の10項目がどれに対応するか見ておきましょう。
技術者倫理に関する質問を受けた際に、質問に答えてさらに「技術士倫理綱領にも○○として定められています」といった感じで補足できれば説得力が増します。
技術士倫理綱領の覚え方【暗記するより理解して考える】
技術士倫理綱領は10項目もあるので個々について文言を丸暗記する必要は無いでしょう。
ただしその存在や目的については説明できる様にしておくべきです。
口頭試験において「倫理綱領とはどのようなものか知っていますか」と問われたら、
「3義務2責務は技術士が果たすべき3つの義務と2つの責務です。倫理綱領はその内容について、さらに具体的な行動指針として10項目が挙げられています」
といったレベルの説明ができるようにしておきましょう。
暗記しても意味がない【理解して自分のものにしよう】
文章を「丸暗記」しても意味がありません。
3義務2責務も技術士倫理綱領も「技術士として理解すべきこと」です。
重要なのは「意味を理解しているかどうか、自分の考えとしているかどうか」です。
口頭試験では「技術士の持つべき倫理感について理解しているか、考えているか」を確認する質問を受けるハズです。
意味を自分のモノにできておらず、ただ丸暗記しても「読み上げてください」という質問にしか答えられないです。
3義務2責務と倫理綱領の実際の事例を語れるようにしておこう
こちらの3義務2責務に関するブログ記事の後半”口頭試験で押さえておくべき大事なこと” においても述べていますが、“あなたがどう思うか”について聞かれた時の想定をしておきましょう。
具体的な事例について聞かれた場合に、核心部分を一通り説明したあとで、
「これは技術士が果たすべき3義務2責務の○○の義務(責務)にも該当し、また具体的な行動指針として技術士倫理綱領にも△△として挙げられています」
とスムーズな流れで補足説明できれば理解のアピールに繋がります。
技術者の倫理に関する想定問答集を作るときは想定の回答に、
「3義務2責務のどれに該当するか」
「倫理綱領のどれに該当するか」
について関連させて答えられるようにしておきましょう。
技術士倫理に関するブログ記事を下記リンク先にまとめてみました。
倫理に関する対策学習はこちらのページをブックマークしておけば時短できます。
→ 技術士倫理の総まとめ【一次・二次・口頭試験の重要ポイントも】
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