当ブログ記事では機械系の設計エンジニアが「資格を取ろうかな」と思ったときにおすすめの資格についてまとめています。
機械設計エンジニアにおすすめの資格は?
将来のために社外で通用する資格を取っておきたいな
機械設計のエンジニアが持っていた方がよい資格ってなんだろう
機械系の設計エンジニアが資格を取ろうかなと思ったとき、どの資格を目指したらいいか、どのようなマインドでいればいいのかについて考えてみました(今回はメンテナンス系ではなく設計に関わるエンジニア向けです)。
たとえばこんな状況で「資格を取ろうかな」と思う人も多いのではないでしょうか?
- テレワークや残業規制になり時間に余裕ができた
- 今すぐには転職を考えていないけど将来的には視野に入れたい
- 社外でも通用するように自分の市場価値を高めておきたい
- いまの仕事が耐え難くて「現状から抜け出したい」という思い
- 将来の雇用や給与の不安
なんとなく時間に余裕がある人から、現状に悩みを抱えている人に至るまで色々と思います。
せっかく勉強するなら将来的に(近い将来から遠い将来まで)有効に活用するために、自分のキャリアにとって有意義な資格を目指した方がいいですよね。
わたしのおすすめは機械設計技術者か技術士
私がおすすめする資格はこちら
- 機械設計技術者
- 技術士
この2つです。
どちらか一方がおすすめではなく「自分自身がどちらのエンジニア像を目指すか」がとくに重要です。
機械設計の専門家か、それとも機械系の総合エンジニアか
自分が将来的に目指しているのは、
- 現状の設計業務を専門に極めたい
- 設計業務から幅広くエンジニアリングを極めて問題解決をしたい
のどちらが近いですか?
いま「機械設計」を専門に仕事をしているなら、将来的に「プロの機械設計者」を目指すことはイメージしやすいと思います。
その場合、将来的にどこまで自分でやりたいか、について考えてみましょう。
- CAD設計・製図の専門家
- 企業や設計事務所で機械設計者として従事したい
- 設計・製図の指導者になりたい
- 設備や製品の組立や設置、設置後のトータルエンジニアリング
- 自動車やプラント設備などなど自分の専門機械の総合エンジニア
これら具体例にピッタリ当てはまらない場合はヒントとして考えてみてください。
「設計」に比重を置いているか、それとも総合エンジニアリングに比重を置いているか意識してみましょう。
自分がなりたい姿、目指したい姿を想像してみよう
自分が何の専門家、プロフェッショナル(または訓練生でもOK)か考えてみましょう。
「まだプロフェッショナルではない」と思う人は現在の延長線上にある将来について考えてみます。
自分がどんなプロフェッショナルにあこがれるか
イメージしにくい人は会社の先輩や上司、学校の先輩、社外の先輩でもいいでしょう。
「あの人のようなエンジニアになりたい」と思う人を考えてみましょう。
機械設計技術者と技術士資格の違い
おすすめしている2つの資格、機械設計技術者と技術士の資格の違いについて、こちらのブログ記事にてさらに詳しく紹介しています。
とくに設計のエンジニアが目指すことが多い技術士の機械部門にフォーカスしています。
機械設計のプロや指導者を目指したいなら機械設計技術者
目指す方向性の比重が「設計」が大きいと感じているなら機械設計技術者がおすすめです。
将来的にプロ設計者やベテラン設計者を目指したい、あるいは設計の指導者を目指しているなどが当てはまると思います。
機械設計技術者の資格は文字通り「機械設計の技量」を証明する資格です。
この資格を持っていれば将来的に転職するにしても「機械設計の能力がある、つまり設計業務ができる(今までやってきた)」ということを相手に理解してもらえます。
対外的に自分の設計能力を評価してもらうには、自分がどんな設計者か、どんな設計の能力があるか、またその技術レベルについて相手が理解できるように説明する必要があります。
もちろん自分が設計した機械や製品を見せることができればいいのですが、転職の時は守秘義務もあり難しいかもしれません。
この資格を持っていると自分の設計能力の信頼性や説明の説得力は上がります。
”設計する対象物”が変わったとしても設計の能力さえ持っていれば、対象物の知識を補完すれば問題ありませんよね。
自分が面接で誰かを評価する側になった場合を想像してみるとイメージしやすいでしょう。
3級は理工系の大学卒業レベル、2級は設計実務遂行レベル
機械設計技術者は1級から3級までこのようにレベルが分けられています。
レベル | 対象、受験資格 |
3級 | 大学生や機械設計初級者 受験資格は無し |
2級 | 実務経験年数が必要 |
1級 | 受験には2級の合格が必要、一部特例あり |
3級は理工系の大学卒業レベル、2級は設計実務遂行レベルというレベル感です。
当ブログ記事のテーマと話が逸れてしまうので、機械設計技術者資格の詳細は今回は割愛します。
受験資格の詳細についても実務年数や3級所持の有無、出身学校によって異なってくるため、日本機械設計工業会のWebサイトにて確認してください。
機械設計技術者試験におすすめ参考書
すでに機械設計技術者の受験を考えている人はこちらのブログ記事でおすすめ参考書や勉強方法をまとめていますのでチェックしましょう。
機械系の総合エンジニアを目指すなら技術士資格がおすすめ
エンジニアとして目指す方向性が設計だけに限らずトータルエンジニアリングの場合におすすめなのが技術士資格です。
技術士資格は「エンジニアとして問題を解決する能力を有している」ことの証明となります。
自分の目指す将来の方向性が設計にかぎらずに、機械設計に不随する様々な問題、課題に取り組むのであれば、技術士資格が一番適しています。
技術士は難易度の高い国家資格でありエンジニア系の資格の中では対外的な信頼性はトップクラスです。
技術士がどのような資格かについて、こちらのブログ記事で説明しています。
技術士資格のおすすめ参考書
すでに受験を考えている人はおすすめ参考書や勉強方法など、技術士カテゴリーにまとめていますのでチェックしましょう。
→ 技術士一次試験、二次試験の参考書と選定時の注意点【部門別に紹介】
当ブログの技術士カテゴリーの記事一覧はこちら↓
“資格を持っていれば安心”ではないがそれを生かすのは自分
機械系の設計エンジニアにおすすめの2つの資格を紹介しましたが「資格を持っていれば大丈夫」というわけではありません。
今の世の中で「資格を持っていれば安泰だ」なんて資格はほとんどないと思います。
現在の(将来でもOK)実務スキルにおいて、その分野のプロフェッショナルを目指すことが大前提です。
資格なんて意味ない、という論調は飛躍している
「資格があれば就職や転職に有利なの?」
「資格を持っていても意味ないのでは?」
というような質問をよく聞きますよね(疑問を持つ気持ちもわかります)。
確かに資格の証明書を見せることで何か得をすることはほとんど無いので期待すべきではありません。
その資格をうまく活用、アピールに使うことができるかどうかは自分次第です。
例えば機械設計技術者の資格を持っていてもただ履歴書に書くだけではメリットは少ないでしょう。
一方で転職の際に面接官から「機械設計技術者の資格を取得したのですね」と言われたとき、このように答えたらどうでしょうか?
「はい、資格取得によって自分の専門分野である機械設計について対外的に能力を証明し、自分のエンジニアとしての信頼性を確保するために資格取得しました」
または、このような答えはどうでしょうか?
「はい、設計者として後輩や部下を指導するにあたり、自業務の範囲に限らない普遍的な技術知識を理解した上で指導すべきと考えて勉強し、資格取得しました。」
このように資格を通して”自分のエンジニアとしての考え方、基本能力”をアピールすることができます。
エンジニアにとっての資格取得は専門分野における対外的な信頼獲得に大きな意味があります。
資格取得のメリット “専門分野における自分の信頼性を向上させてくれる”
資格は「自分が持っているスキルや専門性、能力を対外的に示すときに信頼性を上げてくれるもの」と考えましょう。
もういちど自分が目指したい姿、なりたいエンジニア像について想像してみましょう。
そこに機械設計技術者や技術士の資格が適していることが想像ができたなら、それらの資格を持っていればきっと自分に自信を与えてくれます。
その自信を元にアピールすることができればメリットもありますし、資格を意味があるものにすることができます。
そしてプロのエンジニアとして説得力のある説明は、あなたの対外的な信頼を向上してくれる、つまり自分を助けてくれるものになることでしょう。
コメント