こちらの記事にて一次試験の過去問の数年分について分析を行い
「どの分野に出題の重点が置かれているか」
についてまとめました。
今回は全体の分析からピンポイントで材料力学についてさらに深堀して、何を重点的に、どこまで学習すればいいか確認していきましょう。
機械部門一次試験の過去問から材料力学について分析
平成24年~21年の技術士機械部門専門科目の一次試験について、材料力学の分野に関する問題をまとめてきました。
さっそくですが今回の分析結果として、最初に総括を書いておきます。
○平成24年は過去問から全く同じ問題が3問出ていた
→受験した印象では平成25年もかなり多かった
○計算だけでなく文章問題にも答えられるように知識として広く意味を理解しておく
○過去の傾向から予想すると応力、伸びで1~2問、せん断曲げモーメント1問、断面2次モーメント1問、平面応力1問、座屈1問、ねじり1問
○学習範囲は平面応力あたりまでを重点的にする
ミーゼス降伏条件のあたりになると難しいため完璧に理解できなくても、文章問題に答えられるくらいになんとなくの理解があるとよい
このように過去問の分析をしながら、全体の出題傾向を探りつつ、材料力学分野の学習すべき範囲を絞っていき、上記のような総括にまとめます。
過去問や教科書を見ながら傾向を俯瞰的に眺めていると、必要とされている内容や学習しておくべき内容の目星がついてきます。
それでは実際に分析してみましょう。
平成24年 材料力学の過去問
平成24年の技術士機械部門の一次試験の専門科目について材料力学分野に関してどんな問題が出ていたか見てみましょう。
- 丸棒吊り下げ伸び
- 段付き丸棒伸び
- 中実丸軸ねじれ → 平成23年-5と全く同じ
- 2本突き合せ棒の熱ひずみ → 平成21年-2と全く同じ
- トラス構造はりの荷重
- はり、曲げ応力、断面2次モーメント
- 平面応力、主せん断応力
- 引っ張り、許容応力、疲労限界
- 座屈、断面2次モーメント
- 丸棒から切り出し、断面係数 → 平成22年-3と全く同じ
上記10問が出題されました。
この分析を同じように平成23年、平成22年と進めていくのですが、それをノートに並べて描くと「同じ問題」があることに気が付きます。
平成24年の場合は3問が過去問と同じでした。
つまり過去問をしっかりと学習していれば24年に受験した人は、まず3問は楽に解けていたことになります。
このように分析していくと過去問が非常に重要なことがわかります。
平成23年 材料力学の過去問
続いて平成23年について材料力学分野の問題を抽出してみましょう。
- 文章問題 応力とひずみ
- 丸棒(ロープ)伸び
- 熱ひずみ
- 丸棒2段自重伸び
- 中実丸軸ねじれ → 平成24年-3と全く同じ
- はり、最大曲げ応力、断面2次モーメント
- 薄肉円筒容器、内圧
- 多軸応力下ミーゼス降伏
- 文章問題 疲労S-N曲線
- 文章問題 材料一般
上記の10問が出題されました。
平成23年は5番が翌年の平成24年に3番でまったく同じ問題として出題されています。ねじれについては理解しておいた方がいい事がわかります。
平成23年は文章問題が3問もあったので、計算せずに知識で対応できた人は有利だったかもしれませんね。
平成22年 材料力学の過去問
平成22年について、材料力学分野の問題を分類します。
- 座屈
- はり応力、曲げモーメント
- 丸棒からの切り出し、断面係数 → H24-10
- 文章問題 平面応力、せん断応力
- 文章問題 材料一般
19. はり、せん断図、曲げモーメント図
上記6問が出題されました。
3番が平成24年の10番でまったく同じ問題として出題されていますね。
設計的な問題としても面白い問題でした。
平成21年 材料力学の過去問
平成21年の技術士機械部門専門科目一次試験について、材料力学分野について抽出してみます。
- 正方形断面、ヤング係数、一辺長さ
- 2本突き合せはり、熱ひずみ → 平成24年-4
- 丸棒せん断応力、ねじれ角
- 平面応力
- 文章問題 疲労、強度
- モーメント
上記の6問が出題されました。
年をさかのぼっていくと段々難しくなっているような気がします。
ということは年々難易度が下がっているということかもしれません。
まとめ
今回のように過去問の中でも学習分野について分析してみると、
その部門の技術士になるためにはどの学習を重点的に学習すればよいか?
教科書でいうとどの範囲まで学習すればいいか?
について見えてきます。
今回は機械部門の材料力学について分析しましたが、技術士部門や学習分野が違っていても分析方法は同じです。
自分の受験する年から4~5年程度さかのぼって過去問分析を行い、傾向を掴んでください。
当ブログでは機械部門の他分野についても分析しています。
下記の記事は過去問全体の分析の記事ですが、その中にそれぞれの学習分野別に分析した記事リンクがあります。
どの学問分野の出題比重が多いか調べる方法の参考にしてください。
分析方法を参考にして自分で直近数年の過去問について分析してみましょう。
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