当記事では資格試験や受験勉強で「論理学の問題がわからない」と感じる人におすすめの本を紹介します。
論理学入門のおすすめ本を紹介【わかりやすさ重視】
「資格試験や受験の過去問で論理学の問題が理解できない」
「記号を覚えても”考えて解く問題”に対応ができない」
という思いを抱いている人も多いのではないでしょうか?
「せっかく勉強するなら記号の暗記ではなく、論理学の基礎をきちんと理解したい」と考える人に以下の本をおすすめします。
まったくゼロからの論理学
「まったくゼロからの論理学」は論理学を知らない人を想定して書かれた入門書です。
説明も日常的な表現でわかりやすく書かれているため、受験や資格試験の参考書というよりは「読みもの」という印象です。
一般的な教科書や受験の参考書って堅苦しい表現が多いですよね。
すでに苦手意識がある場合、参考書を手に取るのも決意が必要になる&途中で挫折してしまう確率も高くなってしまいます。
この本は簡潔な表現とわかりやすい説明で、抵抗感を感じずに読み進めることができます。
著者は大学教授であり、豊富な経験をもとに論理学の基礎を平易に解説しています。
私自身、論理学に苦手意識があり「わからないので基礎から理解したい」という状況だったのですが、日常の言葉や簡単な日本語の表現、想像しやすい例で説明されているおかげで、嫌にならずにずんずん読み進むことができました。
電車の移動中に読んでいたのですが、集中して考えていると一駅があっという間です(1度だけ降りる駅を1駅乗り過ごしました。。参考書では初めてです)
2部構成になっていて前半は論理記号を使わないで説明が進むので、前半を読みながら理解をしていくうちに後半で論理記号が出てきてもスンナリと頭に入ります。
2部でしっかりと論理記号が出てくるので、前半の理解と結びついて理解が深まります(1部の理解のおかげで記号が覚えやすくなる)。
「資格試験や受験の過去問で論理学の問題が理解できない」
「記号を覚えても”考えて解く問題”に対応ができない」
という人におすすめです。
ド・モルガンの法則あたりで挫折している人は「まったくゼロからの論理学」で基礎的な考え方を身に付けることをおすすめします。
この本を読んで「さらに練習したい」という人は同じ著者である野矢茂樹さんが書いている「論理トレーニング101題」もおすすめです。
論理学は色んな分野で役に立つ考え方の基礎
論理学は一般的に高校の授業で学びますが、それは論理学が様々な分野で必要とされる考え方の基礎だからなのですね。
ただ、試験対策として記号の意味を暗記しても、全く同じ問題が出題されることは少ないため、過去問をやってみて意味が分からないと手が出せなくなってしまいます。
そこで、論理学が関係する分野や資格試験について以下にまとめました(他にもあると思いますが)。
これらの分野を勉強する人は論理学の理解が必要になるので、この際ぜひ勉強し直しましょう。
とくにプログラミングに関わる人、エンジニアを目指している人は論理学の理解(考え方が重要)は必須なので、現時点でつまずいている社会人や学生は勉強しましょう。
大学受験や公務員試験、一般常識やSPI試験
高校数学で習うのでもちろん大学受験では必要となりますね。
また公務員試験や一般常識の試験、SPIなどでも論理の分野として出題されることがあります。
教科書の内容がわからない場合や、過去問をみても意味が理解できない場合は簡単な参考書から勉強することをおすすめします。
技術士一次試験や基本情報技術者などの資格
技術士一次試験の基礎科目で「情報・論理に関するもの」の分野から出題されることが多いです。
私自身、技術士一次試験を受験した際には、論理部分の過去問を数年分遡って解説を見ながら勉強しましたが、意味が理解できていなかったため、余計に勉強時間が必要になり、不安が残ったことを覚えています。
また基本情報技術者の資格を目指す人も論理演算や論理回路の前提となる論理学の理解が必須です。
これらの資格を受験予定で過去問を見ても意味がわからない場合は、過去問をやりまくるよりも簡単な参考書で事前に内容を理解しておくとトータル勉強時間を少なくできる可能性が高いです。
資格試験の過去問練習と並行して勉強するのがおすすめです。
制御工学や組込みプログラム、計算機工学など電子工学部門
制御工学や組込みプログラム、計算機工学など電子工学部門の授業では、2進数や16進数などの進数表現と論理回路が最初に学習されます。
これらの論理回路を理解するためには、論理学の事前理解が必要です。
とくに真理表の理解は論理回路を学んだときに理解が合致する感覚を得るのに役立ちます。
私自身、最近はじめて論理演算回路を学んだばかりですが、論理学を事前に理解しておいたおかげで意味を理解することができました。
AIや機械学習の分野、一般的なプログラミングに関わる部門
近年、AI・人工知能・機械学習などの分野について学習する人が増えていますが、基礎的な考え方を理解するためには論理学の理解が必要です。
とくに命題論理・述語論理や論理式の考え方が非常に重要になってきます。
わたしが当記事を書こうと思ったきっかけですが、大学院で人工知能・機械学習の基礎授業を受けたときに「論理学の参考書を読んでてよかったな」と感じたのです(私の専門である機械設計や工学系の考え方とは異なるため)。
またJavaやPythonなど一般的なプログラミングに関わる人にとっても論理学は非常に重要です。
プログラミングエンジニアを目指している人は、命題論理・述語論理や論理式の理解は必須であり、これらをコンピュータ言語で表現する必要がある、と言っても過言ではありません。
もしも論理学の導入部分で停滞している人は、簡単な参考書で勉強することをおすすめします。
哲学や思想、倫理学など人文科学分野
論理学は、哲学や思想、倫理学などの人文科学分野でも重要な役割を果たします。
哲学や思想は、論理的思考力が求められる学問であり、議論の過程で論理的な立場をとることが必要です。
倫理学では、正しい判断をするために論理的思考が必要とされます。例えば、ある行為が倫理的に正しいかどうかを判断する際に、論理的に考えることが重要です。
法律やビジネスなど社会科学分野
法律やビジネス、経済学などの社会科学分野でも論理的思考力が求められます。
法律においては、証拠や主張を論理的に展開することが必要です。裁判で勝つためには、正しい論理的な主張が必要不可欠です。
ビジネスや経済学では、データを分析する際に論理的思考が必要とされます。例えば、ある商品の売り上げが減少している原因を分析する際に、論理的な分析手法を用いることが重要です。
教育学や心理学など教育分野
教育学や心理学では、論理的思考が重要な役割を果たします。
教育学においては、教材の内容や教授法を論理的に考えることが必要です。
また、生徒などの学習者に対して適切な指導を行うためにも論理的思考が必要とされます。
心理学においては、調査や実験において論理的思考が必要不可欠ですね。例えば、ある心理・行動がどのような要因によって起こるのかを論理的に分析することが重要です。
以上のように、論理学は様々な分野で役に立つ考え方の基礎であり、現代社会において欠かせないスキルの一つです。
もしも自信がない人は今のうちに基礎的な参考書で体得しておきましょう。
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