当ブログ記事では工場や生産現場についてわかりやすく漫画で学ぶことができる「ザ・ゴール コミック版」について紹介します。
工場や生産現場をわかりやすく漫画で学ぶ「ザ・ゴール コミック版」
この「ザ・ゴール コミック版」は著者エリヤフ・ゴールドラットの原作本をわかり易い漫画にした工場、生産設備やTOCという考え方(後に説明)について紹介します。
工場における業務プロセスについて、問題点がどこにあるか、どこにその要因があるのか、それらを見極めるアプローチ、業務改善のプロセスがわかりやすく漫画で描かれています。
ちなみに原作本であるこちらの本「The goal」についてですが、非常に分厚く(5cmくらい)内容も重量級です。
なので、まずはこちらのコミック版を読むことをお勧めします。
(特に新入社員や若手エンジニアの人には漫画で読むことを強くお勧めします)
私も当時原作本を読みましたが2か月くらいかかりました。。
漫画を読んでみてから、さらに「ちゃんと読み込みたい」という気持ちが出てきた人は原作本に挑戦するとよいでしょう。
「ザ・ゴール コミック版」ざっくり要約
5~6年ぶり、久々に読みましたが漫画ということもあって非常にわかりやすく書かれています。
シチュエーションとして「工場の閉鎖」が突きつけられた状況に対して、
「不採算性をどのように解決すればいいのか」
について考え、行動しながら問題を解決していくストーリーとなっています。
自分で対応しきれないことを誰かに相談し、考えながら推進していく流れも好きですね。
指導者側の視点で読めば若手に対するコーチングの参考にもなると思います。
特に答えを直接に教えるのではなく「相手にしっかりと考えさせ、自分の考えとして導きだす」ことを意識してアドバイスしているので、コーチングの教材としても学ぶところが多いです。
ボトルネック工程はどこか? TOCで個別最適と全体最適について考える
ボトルネックについては特にわかり易く取り上げられていて、製造業や生産技術に関わる人であれば工場生産工程におけるネック工程探しなど、自らの課題に照らし合わせて考えやすいはずです。
またこの本ではビジネスにおいて頻繁に直面する「相反問題」についての向き合い方を学ぶことができます。
相反問題とは「こちらを立てればあちらが立たず」と言うような相反する問題の事を言います。
ビジネスやものづくりの場面では特に阻害要因となっているボトルネックを探して潰していく活動を進めますが、あるレベルに達するとそれだけではいけないことがわかってきます。
会社やビジネス、もちろんエンジニアリングにおいても同じでなのですが、ひたすら「部分最適」を求めても意味がなく、「全体として最適な答え」を探す必要があります。
このような個別の制約を改善しながら、かつ全体最適を目指すTOC(Theory Of Constraints:制約の理論)と呼ばれる考え方を理解するのにおすすめの本です。
在庫の正しい認識について 「在庫はお金です」
また在庫の感覚についても正しい認識を知ることができます。
工場経営者や生産管理に関わる人はもちろん、エンジニアにとっても在庫は「ただ倉庫に置いてある製品、部品」といったもの以上の意味を持っていることを認識する必要があります。
在庫はつまりお金なのです。
会計の勉強するとこの認識はシックリくると思います。
但しその在庫は現金のように”お金そのもの”ではない為、使えるお金、有意義なお金に変えなければいけません。
工場に関わるのであればこの「在庫に対する正しい感覚」を身に付ける必要があります。
冒頭でも紹介しましたが元々の原作本「The goal」がかなり有名で、本国アメリカで出版されたのは日本で出版される17年前だったそうです。
アメリカで大ヒットしたものの、日本の製造業の発展を警戒した作者が17年間日本語への翻訳を許さなかったそうです。
工場の経営、生産の現場に関わる人にとって重要となる価値観を若い頃から知ってほしいと思い、この本を紹介します。
「ザ・ゴール コミック版」で充分にその感覚を身に付けることができるので、工場や生産現場に関わる人は是非読んでみてください。
若手・新人エンジニア向けに読むべき本をピックアップして紹介
またこちらのブログ記事「若手・新人エンジニアおすすめ本【まずはこの4冊】マンガもあるよ」では若手、新入社員、新人のエンジニアにおすすめする本を紹介しています。
この記事の中で問題解決の本を2冊紹介しています。
エンジニアにとって問題解決に関連する本は読んでおくべきなのですが、問題解決の分野の本って「難しい内容」の事が多く、いきなり難しい本を読んでも理解して実践することに即していないことが多いです。
このブログ記事ではそんな問題解決本の中から特に「わかりやすく簡単に説明している本」をピックアップして紹介しています。
新入社員、若手、新人エンジニア向けの問題解決の本を探している人は是非参考にしてみてください。
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